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翌日、学校から帰って一息ついたあたりで、またしてもやかましいコールが部屋中に鳴り響いた。
自分でもわかるほどの倦怠オーラを放出しつつ、電話に出る。
「やっほー、たかしん! そっちに来れる日が決まったわ!」
できれば、もっと静かに話してもらいたいものだ。しかしまあ、西沢にそれを求めるのは無謀というもの。俺もあえて言わないが。
「……いつ?」
「明日よ、明日! あさってにはもう案内してもらうから」
あさって。つまるところ夏休み初日。学校の疲れを理由にダラダラ過ごしてやろうという俺の計画は、今この時をもって完全に崩壊した。
「十時に駅前ね。お金はもってきなさいよ。あと目立つ位置にいなさい。じゃないとわからないから。異論は言わせないわよ。じゃ!」
俺に口を挟む事すら許さないマシンガントークをむざむざと見せつけ、こちらからでもわかるほどのルンルン気分で電話を切る西沢。
……ふざけんなよ、マジで。
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