18人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのな、集合時間何時だ?」
ひとまず俺も、やり返す時はやり返す事を見せ付けてやるか。理不尽並べ立てられただけじゃ納得いかないしな。
「十時よ」
ぶっす~~っとした声で、さも当たり前のように言ってのける西沢。
「じゃ、今何時?」
「九時三十五分」
そこまで言ったあたりで、はっとしたように言葉が止まる西沢。そして今度は、かなりトーンを下げた声で、
「ごめん」
と、ぽつり。
……なんか、悪い事したっけかな、俺? 罪悪感がすごい。まあ悪いかどうかは置いといて、こんな空気にしたのは俺だ。とりあえず、ここを何とかする義務はあるだろうな。
「いや、こんな間違い誰でもあるさ。気にすんな。俺も意地悪みたいな事してごめんな」
……んな間違い普通はしないし、しかもなんか馴れ馴れしい。阿呆だ。完全無欠の阿呆だ、俺。こんなんで向こう元気になるわけ――
「そうよね、誰だってするわよね。待ってるから早く来なさいよ。じゃあね」
すみません、なっちゃいました。つーかしねえよ、普通は。
最初のコメントを投稿しよう!