彼の、職業

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耳が熱い。別に、耳元で囁かれるのが苦手なわけじゃないのに。 今までだって、優しく耳元で囁いてくるような男は沢山居た。でも、その度に自分が冷めているのを感じただけだった。 なのに、ドキドキしたのはよりによって年下の男。 「あれ?耳元で囁かれて感じちゃった?」 「まさか」 「だよね」 クスクス笑う彼。あたしはとんでもないものを拾ってしまったかもしれない。 「りーんかっ」 彼が笑いながらあたしの顔を覗き込む。…遊ばれてる。振り回されてる。 こんなの、らしくない。はずなのに。
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