彼の、職業

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「…何」 返事しちゃうあたしは、絶対にオカシイ。 「お腹すいた」 「…あたしは家政婦じゃないの。それに、家事、掃除、洗濯はあんたの仕事のはずでしょ?」 「………」 ハァとため息。…だってあたし、こんな小さな事気にするタイプだった?面倒臭いことは無視してたはずじゃない。 「…ケチ」 「ケチじゃないから。大体、あんた仕事は?」 「え?言ってなかったっけ?」 どこまでもマイペースで、自分のテンポに相手を巻き込んでしまう男は、自分が言ったかどうかも解らないような男らしい。…しかも、結構重要なことを。
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