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「それは後で話す。それより赤子の霊の方だ!どうにかしないとヤバいって。除霊の方法とか知らないか?」
「いや、大丈夫だろ。死にやしないって。それよか彩ちゃんと別れた話聞かせてくれよ。どうして別れたんだよ?」
しかし、俺の必死な言葉を聞いたにも関わらず栄太は彩と別れた話を聞きたがる。
「何だよ!後で話すって言ってるだろ?今はそっちじゃない!霊の方をどうにかしたいんだよ!!」
さすがに俺も腹が立ち声を荒げ栄太に言った。
「……あのな、多分なんだが一回霊の事忘れた方がいいぜ」
「…………えっ?」
「お前が赤子の声が聞こえるのは、静かな場所に一人でいるときだよな?」
「ああ……多分」
「まぁこれは予想なんだがな、今までに静かな場所に一人でいると、強い印象を持った強烈な音が自然と耳に流れることなかったか?」
「どういうことだ?」
「例えば、バンドを組んでて同じ曲ばかり練習したときだな、練習が終わったあとでも、ふとした時に、その曲がどこからも流れていないのに、聞こえてくるみたいな感じだ」
「で、それがどうした?」
こいつは何を言っているんだと思いながら、栄太に訊いてみた。
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