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俺もソファに横になった。
真っ暗で静かな部屋。
栄太は既に寝息をたて、眠ってしまった。
寝るの速っ!……まぁ、時間も時間だし、夜遅くまでバイトしていたらしいので仕方ないよな。
俺も寝よう……。
俺は目を閉じ、眠りにつこうとしたその時だった。
微かに聴こえてくる音に驚き、目を開く。
何の音かは分からなかったが、無音の空間に突如流れた音に不安を覚えた。
もしかすると……という思いもあったが、栄太がいる前では聴こえてこないだろうという、根拠のない自信があった。
俺は揺らぎかけた自信を取り戻す為、空耳であったことを確認するように、もう一度耳を澄ました。
…………何も聴こえないじゃないか。大丈夫、栄太が言った通り空耳かもしれないし、栄太がいる前じゃ聴こえないのかもしれない。
聴こえなかったことに安心した俺は、自分に大丈夫と言い聞かせながら再び目を閉じた。
……大丈夫聴こえない。聴こえない。聴こえな……?
「オギャアーオギャアー」
今度は聴こえた。確かに聴こえた。あの声は間違いない、奴だ奴がいるんだ。それにさっきより声が大きい…………
……近くに…い…る?
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