子捨て谷で赤子は泣く

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俺、馬鹿だな……。 今日は激しく後悔。胸が痛い。一人で居るのが辛い。一人で居ると泣き出しそう。駄目だ……。 俺は携帯電話を手に取ると、友達の栄太に電話をかけた。 「プルルルルルル……こちらは留守番…ツーツー」 繋がらない。クソッ、こんな時くらい出ろよ! あー何だか無性に腹が立ってきた。 よし、心霊スポットに行こう!一回行ってみたかったんだよね、子捨て谷。きっとスリルあんぞ。 でもさっき彩にああ言われたばかりだしな……。でも、もう別れたから関係無い。 ……よし、行こう!今日は栄太が居ないから一人だけど大丈夫だろう。前にS山トンネル一人で行ったし。よし、そうなったら早速家に帰って準備だ! なんか楽しくなってきたぞ。 子捨て谷に行くと決めた俺は、先刻彩にフラれたブルーな気持ちを一瞬にして吹き飛ばし、楽しい気分で胸が踊っていた。 家に帰ると、俺は飯も食べず、子捨て谷のことを調べ始めた。 心霊スポットに行くには下調べが必要である。本当は日中の内に事前に現場に行っておけばいいのだが、今日は思いつきであるため仕方がない。 それに、今度栄太と行くつもりであった為、そっちが本番だと考えれば今日は下調べになる。
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