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懐中電灯片手に夜道を歩く俺。月は出ているが、生い茂る木々に隠され、殆ど光は入ってこない。
只々、真っ直ぐ歩き続ける俺。一体何処を目指しているか分からない。そして暗闇の為此処が何処だか分からない。
只一つ分かること。
それは此処が怖いということ。そして奥は更に怖いだろうということだけだった。
怖いなら行かなければいい。だけど足は進む。止まらない。いや……止められない。
段々道が広くなってきた。そして木々も少なくなってきた。月も見え辺りがうっすら明るい。
正面に何かが見える。
何だ?……石?……墓?
ん?その下に何かがある。いや……いる。動いている。何だ?
近くに寄り確かめる俺。
そこには笑う筈のない産まれたばかりの赤子が不気味に微笑んでいた。
――――!!??
言葉にならない叫び。何だ!?意味がわからない。何でいるんだよ!何で微笑っているんだよ!
その時だった。
「オギャアーオギャアー」
突如泣き出す赤子。
その声はあまりにも大きく、そして不気味だった。
「あ……あ…うわぁぁぁぁぁぁぁ」
ベッドから飛び上がる俺。辺りを見渡すとそこは俺の部屋。
……夢…か。
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