泣き声は夜と共にやって来る

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何で開いていた? 奴?いや、違う。霊だったらすり抜けられる。鍵を開ける必要なんてない。 人為的な気がする。泥棒?いや、違う。俺が帰ってきてから一時半程。それだけの時間泥棒が一戸の家に留まるわけがない。 とりあえず気にしないでおこう。さっきの音は風だよ。風に違いない。 俺は直ぐに身体を洗い、浴室を出た。そして直ぐにタオルで身体を拭き、服に着替えると。恐る恐る脱衣場の扉を少し開いた。 そして辺りを確かめる。何もいない。普段の家と変わらない。 やっぱり風だよな……。 それでも声を出そうと思ったが、こちらの存在を気付かせることになるので、できるだけ音をたてず、静かに脱衣場から出ることにした。 ゆっくり脱衣場を出るとなんとなく居間に向かった。居間に入るには扉が一つある。 俺はその扉の前に着くと耳を扉にあてた。 ……何か聴こえる。しかし何だか分からない。 もう一度よく耳を澄ましてみた。 「オギャアーオギャアー」 ――――――!! 直ぐに扉から離れ、距離を取った。その時廊下に足音を響かせてしまった。 マジかよ!何でだよ。何でいるんだよ。昼だぞ。まだ太陽が出ているんだぞ!
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