泣き声は夜と共にやって来る

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だけど夢の中で現れる恐怖に怯えた俺は寝ることが出来なかった。 只ベッドの上で恐怖に怯えながら寝転がっていた。 耐えられなくなった俺は、オーディオの電源を入れ音楽を流した。 流れてくる音楽はギターが鳴り響くロック。正直何でも良かった。大きな音で恐怖を打ち消したかったのだ。 何も考えず、ボーッと過ごす俺。どれくらい時間が経っただろうか。もう太陽は傾きかけ空はオレンジ色に染まっていた。 また夜がやってくる。あの声がまた聞こえてくる。 ……いや一日経った。もう聞こえないかもしれない。 微かな希望を胸に抱き、ベッドに寝転びながら、太陽が沈むのを只見続けた。 その時だった。鳴り出した携帯電話。画面を確認する俺。どうやら栄太から電話のようだ。 俺は電話に出た。 「もしもし」 「おう晋也!大丈夫か?何ともないか?」 心配してくれる栄太。 「一応な。声は聴こえないし、姿も見えない。……だけど夢にな…出てくるんだ」 「夢?もしかして、夢が怖くて全然寝てないとか?」 「ああ」 「そうか……ヤバくない?」 「ヤバいかもな……」
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