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丁度食べ終わったときだった。玄関から聴こえてくるチャイムの音。
栄太?いや、あいつはいつも携帯電話にかけてくるから違うな。
「あら?だれかしら」
母親はそう言うと食事を中断し、玄関へと向かった。
その瞬間俺はまた一人になった。付いて行こうかとも考えたが、さすがに恥ずかしい。小学生じゃあるまいし。
「晋也!!友達よ」
玄関から母親の大きな声。友達?ってことは栄太か?でもおかしい、電話が鳴っていない……!?
あっ……部屋に投げ捨てたままだ。
俺は急いで玄関に行くと、栄太を出迎えた。そして、俺は栄太と自分の部屋に向かった。
部屋に入ると、俺はベッドに座り、栄太は床に座った。俺は扇風機を回し、汗だくの栄太に風をあてた。
「お疲れ」
「ふ~疲れた。まじ暑いわ」
栄太はそう言い、俺の部屋に置いてあった団扇を手に持つと扇ぎ出した。
そして、一息つくと再び口を開いた。
「それで、お前大丈夫か?夢に出てきて寝れなかったんだろ?」
「まぁ大丈夫じゃないわな。正直辛い……このままじゃいつか死ぬな」
かなり弱気な俺に栄太は物凄く心配しているらしく、これでもか!と言うほど俺を励ましてくれた。
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