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「ありがとな」
何だかここまで親身になってくれる友達がいることが嬉しかった。だけど少し恥ずかしかったので俺は話を変えた。
「先刻、電話で言ってた話って何だ?」
「ああ、それそれ。これからどうすべきなのか、少し考えなきゃいけないかなって思ってさ。正直お前このままじゃヤバいだろ?呪いとかとり憑かれてるとかよくわかんないけどさ、何らかの方法で今の状況を脱却しなきゃ……」
栄太の言っている事はごもっともだ。だけど……
「どうしたらいいんだ?」
俺も考えたさ、どうすればいいんだろうって。だけど答えなんて出てこないんだよ。
「わからない。だけどまだ俺たちにできることはあるんじゃないかな?」
「例えば?」
「神社に行って除霊してもらうとか。もう一度、子捨て谷に行って謝ってみるとか?」
「無理だ。子捨て谷には行けない」
俺は即答した。もう一度子捨て谷に?行ける訳がない。例え昼間でも、栄太が一緒にいても無理だ。
それだけの恐怖を俺は味わっているのだ。
「神社は?」
俺は数秒考えた。
本当に除霊できるかわからない。テレビでやってるのだって、ヤラセだと思っている。だけど今の俺には選択の余地なんてないんだよな……。
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