思いは残り霊となる

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「こんな場所だから本当ぽいよな。繁華街にあったら偽物ぽいもん。ってもこの辺にあるわけじゃないけどな」 「えっ?まだ歩かないといけないとか?」 「バス。一時間後に駅の前のバス停からバスが出る。それに乗って5つ目の停留所で降りるんだ」 「一時間後!?」 待ち時間の長さに、すかさす俺は栄太に確認した。 「ああ一時間後。あとバスを降りてから三十分程歩かないといけないから」 マジかよ……。普通の状態の俺なら大丈夫なんだろうけど、全く眠ってない今の俺の身体はもつのだろうか? 正直不安である。 「晋也」 突然名前を呼ばれた俺は栄太の方に顔を向けた。 「今の内に寝たらどうだ?ずっと寝てないだろ?」 心配してくれるのは有難い。だけど、眠れる訳ないじゃないか。寝てしまうとあの恐怖がやってくるに違いない。 「大丈夫!昨晩少し寝たからな」 ごめん、何か申し訳ないから嘘付くな……。心配ないから。 「そうか……」 妙に素直に納得する栄太。だけど納得してくれて良かった。かなり迷惑かけてるのに、これ以上心配してくれるな。俺は大丈夫だから。
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