子捨て谷で赤子は泣く

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何だか面白くなってきた! つい先刻まで彩にフラれたショックで落ち込んでいた俺だったが、子捨て谷の事を調べている内に頭の中に心霊スポットの事がどんどんと流れ込み、彩にフラれた悲しみが薄れていた。 ふと時間が気になり、部屋に掛けてある時計を見ると、夜は8時。そろそろ夕飯を食べて準備をしよう。 俺は部屋から出て居間に行くと、母親が夕飯を作り待っていた。 「おっ!ナイスタイミング!丁度ご飯出来たわ」 母親はそう言いながら机にご飯を並べている。 俺は無言で椅子に座ると夕飯を食べ始めた。 「ごちそうさま」 俺は食事を終え、食器を洗面台に持っていくと、再び部屋に向かった。 そして部屋に入ると、いつも心霊スポットに行くときに持って行くリュックに物を入れ始めた。 懐中電灯 タオル 財布 携帯電話 これだけあれば充分。 お札とか、魔除け的なものは要らない。 だって俺が心霊スポットに行く理由は肝試しなんかじゃないから。幽霊に会いに行くのだから……。 魔除け的なものを持っていて、霊に会いにくくしては意味がないのだ。
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