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「思いというものはとても強く、例え本体が失われても残り続ける。それは様々な形で存在し、また、二つとして同じものは存在しない。君がその場所で、見たものや聞いたものは何であれ、強い思いがそこには存在しているのでしょう」
おじいさんが淡々と言った言葉の意味が、俺には全く分からなかった。栄太も同様で、俺の方を向き、意味が分からないというような顔をしていた。
強い思い?
一体何のことだろうか?意味が分からない俺はおじいさんに聞き返した。
「思いとは一体何なんですか?何だか漠然としすぎていて、よく分からないのですが……」
相変わらずニコニコしているおじいさんは優しく答えてくれた。
「思いとは心。今あなたが分からないと思ったことが思い。恐怖も思い。辛いと思ったことも思い。漠然としているかもしれません……。しかしそれが思いなのです」
余計に分からなくなる。俺が思ったことは全て思い……ということらしいのだが、それが心霊現象と一体何の関係があるのだろうか?
俺はその疑問をおじいさんに問い掛けてみた。
すると、ニコニコ笑いながらおじいさんは口を開き、答え始めた。
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