始まりは終わりを告げる

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「よし、行こう」 入口を見つめたまま俺は言った。 しかし、右手が回らない。アクセルを回せない。頭では回しているつもりなのだが、俺の手は固まったまま。 「クッソーーーーー」 突然叫んだ俺。 それに驚く栄太。 周囲の鳥たちは大声に驚き、一斉に飛び立った。 「よし、行こう」 今度こそ決意は固まった。アクセルを回し、ゆっくり山の中に原付で入って行った。 そしてわりと直ぐに、倒木で道が塞がれている箇所に到着した。 そこに原付を停め、エンジンを切った。 山の中は木が生い茂り、僅かな隙間から入ってくる赤い光。その光がまだ夜が来ていないことを教えてくれる。それだけでまだ恐怖は薄いままだ。只、この光が消えてしまうことを考えてしまうと、恐怖に押し潰されそうになる。 何気ない会話をし、前に進む俺たち。会話があると安心する。正直俺は会話の内容を考える余裕はない。しかし、栄太が気をきかせ話を途切れないようにしてくれるのだ。 本当、心強い。 そして暫く足を進めると、目の前に現れた道案内の看板。俺たちは看板の前で立ち止まると、二人して文字を読んだ。
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