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第二章
「制服と言うのも久しぶりですね。」
タイを締め直し、身なりを整え、車から降り立つ。
「帰りの迎えは良いです。今日は色々挨拶に回らなければいけませんから。ご苦労様でした。」
運転手は頷くと、静かに走り去る。
「…………おや?」
青年は建物を見上げると、眉をひそめた。
…………今。あの方の気配が………。
本当に一瞬の事だった。今は何も感じ無い。
「気のせい………では無いようですね。」
青年は口元に笑みを浮かべた。
青年の名前は、薫樹 英(かおりぎ えい)
理事長の三番目の息子で、現、夏神の神官長を勤める。年は16歳。黒髪の中に一房の金髪が混じる。雰囲気は宗と良く似ているが、周囲から母親である聖(ひじり)と性格・造形共に瓜二つと言われる。
そして………ソレイユ王国を新しき国に導いた、影の立役者であった。
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