第三章

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   「ちょっと笑える光景だよなー。桔梗の正座。」  「そう?俺、見慣れた。ところで政。買い物は?」  「夕飯の買い出し予定だったけど、メールしたら知り合いのオッサンが、後で食材届けてくれるってさ。だから面白い光景を見学して帰る。ついでに写メ、ポチっとね。」  カシャッと音がして、桔梗の正座と、八朔の鬼の笑顔を写し、何処かへ転送した。  「………政。何処へ送った……。」  「よそ見するなよ?第一お前はな、食欲以外に興味は無いのか?学生なんだから、少しは他の事に興味を持て。先に言っておく。俺に興味を持っていると言う答えは無しだからな。」  「…………チッ……。」  横を向き、小さく舌打ちをする桔梗。その態度に、八朔は額にもう一本青筋を増やした。雷を落とそうとした瞬間、政が止めた。  「八朔さん。桔梗とイチャつくのは良いけど、そろそろ図書室戻らないと。後、多分、蛍さん起きたんじゃないかなー?」  「イチャついてねえっっ!!」  「痴話喧嘩にしか見えないよ。ほらほら、早く行かないと、大事な本が紛失しちゃうよー。」  「………仕方がない。刀自。蛍ちゃんには、今日は休めと伝えてくれ。後、近い内、薬嗣、遊びに行きたいってよ。」  「学祭終わってぐらいかな?八朔さんも来ると良いよ。蔵の中身、陰干ししようと漁ってたら、初代の書いた本が出てきた。」  「行くっっ!!と、本当に行かねえとマズいな。悪い刀自。今度、民俗学棟に来てくれ。」  「了解。」  八朔が出て行くと、政はニンマリと笑った。  「本を盗み出すような馬鹿はこの学園には居ないけどね。八朔さん怖いもん。桔梗ちゃーん。貸しね?」  「…………元々はお前が八朔に……。」  「チッチッチッ。図書係、忘れてたお前が悪い。ま、貸しは今度返しててもらうとして、蛍さんトコに行こうか。」  「………お前にはかなわん。」  不思議な事に、この刀自政は、学園内の天界関係者全員と仲が良い。『神』というものは、それなりに偏屈なのが揃っており、一筋縄ではいかない連中ばかりなのに、何故か政の周りは『神』で賑やかだ。まあ、職業柄、仕方がないと言えば仕方がないが。
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