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『カヨママ~。今ホテル出たよ。』
「了解~。今拾いにいってるから待ってて。」
『早く来てね~。僕、寒くて死んじゃう。』
「なぁに言ってんのよ。今、6月じゃないの(笑)暑いわよ。」
携帯を切って夜空を見上げる。
都会だからかな。
星…、よく見えないや。
『…あ~あ…お尻痛いなぁ…。』
僕の心に感情なんてものは
ないんだよね。
これからもきっとずーっと。
昔、母親だった人が言ってた
『人は死んだらお星さまになるのよ。だから母さんが死んだら貴方をずっとお空から見守ってるからね。』
見守ってる…
どの星があの人なんだろう
排気ガスが充満してる都会の中で
僕は見える事のない星を探した
『…ばっかみたい。』
力なく笑ってしまう。
そこに店の送迎車がやってきた。
「千世~お疲れちゃ~ん。」
『もっくん。もっと早く来てよ~。僕、寂しくて死んじゃうかと思ったよ。』
「またまた~そんな事言ったら、俺が千世食べちゃうぞ☆」
『やだ~。僕本当はノンケだも~ん。もっくん、バリバリのゲイじゃん。』
「ははは!」
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