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少々の計算ミスはあったが、なかなか今の暮らしは面白い。
僕ことマクロは三人で暮らし始めた頃のことを思い出していた。
最初に目をつけたのはアクロだ。
ベースの黒髪にシルバーのメッシュを何本も入れて、眉に一つ口元に一つヘソに一つ、耳には数えるのが面倒なほどのピアスを着けて、FOTUSの服で完全防備だった。
だけど僕が最も気になったのは、グレーのカラコンを入れた退屈そうな目。
それは、ライブハウスのバーカウンターの中で異色な存在だった。
せっかく綺麗な顔をしているのに。
笑った顔が見たい。
突然の衝動に突き動かされた僕は、初対面にも関わらず「一緒に暮らしませんか?」と申し出ていた。
その次は、ミクロだ。
彼女は僕が真夜中にたまたま通りがかった歩道橋に、一人で一所懸命に絵を描いていた。
草花が咲き乱れる極彩色のサバンナが、そこに生まれる。
絵を描くその表情があまりにも必死だったので、一瞬声をかけるのを躊躇ったが、僕を突き動かす衝動に逆らえなかった。
「ねぇ君、一緒に暮らしませんか」
そうして僕たちは三人での共同生活を始めた。
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