アクロの恋

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少々浮き足立ってしまうのを悟られないように、ポーカーフェイスで立ち上がりピコピコと返信を打つ。 「ちょっと出掛けてくらぁ」 「あら、このくそ暑いのに?」 「夏は溶けるから引きこもりなアクロが?」 『珍しい~ぃ(ユニゾン)』 「うるせー!!」 俺はいそいそと自分の部屋で支度をする。 バイト代を貯めて奮発したスキニーデニムに黒のTシャツ。アクセサリーは全部、ヴィヴィアンで統一。 俺の一番のオシャレで、戦闘体制を整えた。 「んじゃ、行ってくらぁ」 ヒラヒラと手を振ると、部屋に残された二人はニヤニヤとしながら行ってらっしゃーいと言った。 バタンとドアが閉まる。 ――――― 「あれでバレてないとでも思ってんのかしらねぇ」 「そうじゃないですか?全く、アクロは分かりやす過ぎですね」
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