プロローグ

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八月十四日。 セミがミンミン鳴いている季節。 ちょうどお盆に当たる時期、勇一はある町に引っ越してきた。 これから勇一たち家族は、父の仕事の都合で母方の祖母の家でお世話になることになったのだ。 勇一の家族は、父の正一(ショウイチ)、母の美沙(ミサ)、勇一との三人家族。 それと、これからお世話になる祖母の登喜子(トキコ)。 勇一は正一の車の後部座席に乗っていた。 車の中で勇一は無口だった。 引っ越し前に居た学校のクラスメートからの手紙や色紙をずっと眺めていた。 勇一の母、美沙は、さきに引っ越しの車で祖母の家へ着いたみたいだ。 さっきサービスエリアで休憩した時に勇一は正一から聞いた。 その時も勇一は何も答えずしんみりしていた。
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