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勇一は荷物と言う荷物は持っていなかったがずっと背負ったリュックを下ろしてお部屋の隅(スミ)へ置き、手に持っていたみんなから貰った色紙や手紙を予め置いてあった机に置いた。
この机もきっと、勇一のために登喜子が用意してくれたのだろう。
少しだけ古びた机だったが、勇一はそう思うと嬉しかった。
勇一はある程度、荷物を片付け終えると部屋をグルっと一周して、外の窓を開けた。
今日も、とても暑くて風なんど全く吹いていない。
太陽が眩しいのか目を細める勇一。
その瞬間、一瞬だけ心地よい風が吹いた。
その時から、勇一は不思議な何かを感じたのだ。
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