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東京で別れて以降、久しぶりに仕事で顔を会わせた。
いつもと変わらない、いや、いつもより心なしか浮かれた宇治原の顔を見て、目を逸らす。
胸の中に渦巻く、どす黒い感情を知られへんように。
お前の声聞きとうて、俺、ずっと、鳴らへん携帯手放せへんかったんやで。
なにをそんなに浮かれてんねん。
そないにピンの仕事が、東京での仕事が、楽しかったんか?
「ちょっと、台本に気になるとこあるから、確認してくるわ。」
心の中で毒づきながら、用事がある振りをして楽屋を後にする。
不満そうな宇治原の顔が見えたが、関係あらへん。
あんなに聞きたかった宇治原の声が、あんなに見たかった宇治原の顔が……今は…、自分でも持て余す苛々を増長させる…。
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