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落ち着きを取り戻した菅は、キスにも積極的に答えてくるし、俺に対して怒ってるんとはちゃうみたいやけど・・・。
号泣の理由が全くわからへん。
久しぶりの菅の唇を堪能しつつも、頭の半分では、不可解な号泣の訳を探る。
"お前にとって俺は何なん?"とか言うてたな。
ってことは、俺の気持ちが信じられてへんてことか…。
何が不信の原因なんやろ?
今まで以上の愛情の伝え方なんてあんのか?
…う~ん・・・せやなぁ…。
悩んだ末、引かれるのを覚悟して、吸っていた菅の舌を強く噛んだ。
痛みに身を引こうとするんを制し、
「お前のこと食べたい位好きやのに・・・伝わってる?」
耳元で囁やく。
そこそこ本気やけど、重くならへんように、頑張って笑いを含ませた。
え?
なのに、なんで?
全く反応が返ってこへんやんけ。
やっば…重すぎたんか!?
…どないしよ?
俺が悩んでいる間も菅は微動だにしない。
沈黙に耐え切れず、
「菅さん、俺の態度だけじゃ気持ちが伝わらんのなら、身体に伝えるしかないんちゃいます?」
茶化した問い掛けに、
「いや、もう十分分かったから。ありがとう。」
ようやく返事が返ってきた。
せやけど、素直過ぎる返事がどうもあやしい。
俺の気持ちがちゃんと届いたとは思えんし、またなんか、自分勝手な結論だしとんちゃうの?
せやから、肩を抱き言った。
「いーや、お前はわかってへん。」
断言する俺に、くすぐったそうに笑いながら、菅が上目遣いで問い掛けてくる。
「・・・そうなん?」
潤んだ瞳、号泣の後のけだるさを纏った姿が、あまりにも可愛くて…さっきまでの憂いも忘れて誘ってしまいそうになる。
ん…いや、待てよ……。
「そうや。やから、おいで」
思いついた妙案を実行すべく、菅を部屋の中へと招き入れた。
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