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倒れた男の上に、全長120センチくらいの雪のような巨大な狼がいた。
トパーズのような黄金色の瞳で、左目にある二本の傷跡がよけい恐ろしく見える。
雪狼(せつろう)という幻獣なのだか、そこらへんの悪党共に分かるはずがない。
彼等が白銀の狼に目を奪われ、恐怖を覚えた瞬間物を打つ音が聞こえた。
全員が一斉に音の方へ頭を向けると、倒れた仲間の一人の近くに立っている少女がいる。
少女の手には、いつの間にか背中から抜いた棒が握られていた。
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