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翌朝―――。
酷い頭痛とともにまた子は目覚めた。
―――何だかとっても嫌な夢を見たような―――。
痛むこめかみを押さえて俯いたまた子の視界の隅に入ったのは……紅葉の簪。
……………!!
そうだ―――!
昨夜、万事屋の坂田銀時が―――!
確かに舞った首。
二人に何があったか、自分には知る由も無い。
だが。
「……始末しなきゃ……いけないっス……」
鬼兵隊内部で起きた殺人。珍しい話では無い。間者や裏切り者、粛清のために血を見るのはもう慣れっこだ。
――坂田銀時が殺されたのも故あってのこと……きっとそうっス……。
ならば、愛する者をその手にかけなければならなかった高杉が今、一体どんな気持ちでいるか……。
重い足を引きずって高杉の部屋へ向かえば、思いの外片付けられた……しかし、昨夜の惨劇の後がそこいらに。
血に染まった障子。
同じく拭き取られてはいるものの、血の跡を残した床板。
「これは……職人を呼んで総取り替えっスね……」
「おい」
「ううん、むしろこの隠れ家を捨てて別な場所に変えた方が良いかもしれないっス」
「無視をするなでござる」
「晋助様も、その方が気持ちの切り替えが……って!うわぁッッ!万斉先輩!?いつからそこに!?」
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