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「はぁ……疲れた~……」
重い足を引きずり、ベッドに倒れ込む。あれからご飯を食べ風呂に入ったのだが、体中が痛い。
こりゃ筋肉痛になるな。まぁ、だからといって練習は休まないけど。明日も早いし、早く寝ようかな。
「ん?」
目覚ましをセットし、さぁ寝るかという時に携帯が鳴った。もう10時なのに誰だろ?
「もしもし?」
「あ、三瀬君? 片桐です。もしかして寝てた?」
「あ、いいえ。おお、起きてました」
平静を装いつつ携帯のディスプレイを見ると、確かに片桐彗歌と表示されている。
いつもはメールなのに、今日はどうしたんだろ?
「あ、あの、どのようなご用件でしょうか?」
「も~。相変わらず堅いね~。 同級生なんだし、敬語とか使わなくていいのに」
呆れたような、怒ったような声で言う片桐さん。そんなこと言われましても……。
「って、その話はまた今度にして、三瀬君疲れてるだろうし用件を言うね」
「は、はい」
また今度って所はスルーしておこう。
「明日の練習前にさ、体力づくりに私とランニングしない? 」
「ら、ランニングですか」
「うん。三瀬君ってあまり運動してないみたいだし、これをきっかけにどうかなと思ったんだけど」
確かに僕は体力がない。現に練習後は僕より志穂の方が元気だったし。……兄としてかなり情けないけど。
それに今のままじゃ本当に引きこもりみたいだし、やってみようかな。
「わ、わかりました。行きます。」
「本当に!? じゃあ練習が始まる1時間前に海星公園に来てね!!」
「は、はい」
やたら嬉しそうに話す片桐さんに押されながらも、なんとか返事をする。
「三瀬君ありがとうね!! 用件はそれだけ、お休み~!!」
「お、お休みなさい」
電話が終わり、再びベッドで横になる。練習が始まる1時間前ってことは11時か。
今から寝るから寝坊の心配はなさそうだな。あ、でも目覚ましはセットし直しとこう。
目覚ましをセットし終わると自然と瞼が落ち、眠りについた。
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