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15分後。特に問題なく公園に到着した。片桐さん、もう来てるかな?
とりあえずグラウンドに行ってみると、ベンチに座ってきょろきょろしてる人を発見。というか、片桐さんだ。
あ、僕に気付いて手を振ってる。無視するのも失礼だし、小さく頭を下げておこう。
「すす、すみません。待ちましたか?」
「ううん、さっき来たとこだよ」
「そ、そうですか」
良かった、ずっと待たせてたら悪いからね。でも今度からは僕が待つぐらいの時間にこよう。
「昨日はいきなり電話してごめんね。迷惑じゃなかった?」
「い、いえ。迷惑じゃないですよ」
「良かった~♪ 遅い時間だったし、出ないかと思ってたよ。あ、体は大丈夫なの?」
「は、はい」
「わかった。じゃあ今日は初日だし練習もあるし、5㎞ぐらい走ろうか」
「わ、わかりました」
5㎞か。ペースにもよるけどそれぐらいなら大丈夫かな。
「ん?」
準備体操がわりに体をほぐしていると、ベンチに動物の刺繍が入った小さい袋が置いてある。
片桐さんのだと思うけど、お菓子かなにか持ってきたのかな?
「準備できた?」
「あ、は、はい!!」
「三瀬君、気合い入ってるね♪ じゃあ走ろうか」
「はい」
本当はびっくりして声が大きくなっただけなんだけどまぁいいや。僕は片桐さんの横に並び走りはじめた。
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