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僕が高校生になって早1ヶ月が過ぎた。最初は友達が出来るか不安だったけど、片桐さんや藤宮さん、日野さんや帝さんと仲良く(?)なれた。
そして明日からゴールデンウイーク。普通なら友達と遊ぶんだろうけど、僕は違った。
「あぁ、負けちゃった……」
「ふふ。僕に勝つのはまだ早いよ」
はい、志穂と家でゲームしてます。因みにマリカー。いえね? 自分から女の子に電話するのって、なんか恥ずかしいんですよ。
べ、別に友達がいないわけじゃないんだからね!! 引きこもりでもシスコンでもないんだから!!
「……? お兄ちゃんどうしたの……?」
「いや、なんでもないよ」
危ない危ない。自分の世界に入ってしまう所だった。可愛く首を傾げる志穂に笑顔で返してやり、再び画面を見る。
志穂は何気にゲームが上手い。僕と一緒にしてたからだけど、コツを教えるとすぐ吸収するからだ。
さっきは強がったけど、少しでも手加減すれば負けてしまう。ゲーマーとして、兄として、妹に負けるわけにはいかない!!
『チチチチチチチラ見せ~♪ ギリギリで~♪ 自主規制~♪』
変なプライドを発揮していると、携帯が鳴った。……うん。この着信音はないよね。変えとこう。
携帯を見てみると藤宮さんの名前が。藤宮さんからメールはよくくるけど、電話は珍しいな。
不思議に思いながらも志穂に声をかけゲームを中断し、通話ボタンを押した。
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