連休って遊ぶものだよね

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「いっくよぉ~♪」 如月さんは元気よく声をはりあげると同時に走り出す。……って早っ!? 砂煙も巻き上げることなく一瞬で距離を詰めてきた。慌ててハルと片桐さんが如月さんをマークしにいく。しかし 「よ♪ っと♪」 如月さんはスピードを落とさず突っ込み、ボールは弧を描きハルの後ろへ向かった。 「「え……?」」 予想外の出来事に一歩も動ない片桐さんとハル。ふぁ、φトリry 「ボーっとするな!! 私達もいくぞ!!」 「は、はい!!」 日野さんに怒鳴られ如月さんを見る。なん……だと……? ボールをもってない如月さんの方がハルや片桐さんより早い……だと……? ハルは陸上部並みに足が早く、100メートルを11秒中間で走り、片桐さんもハルと同じぐらい早いのに!? っと、驚いてる場合じゃない!! 如月さんをマークしないと!! 「ふふ♪」 僕と日野さんが如月さんの前に立つと如月さんは小さく笑い、両足でボールを挟みフワッと浮かせた。ヒールリフト!? 「くっ!!」 僕は全く反応できなかったが日野さんは僅かに反応し、ボールをカットしようとジャンプするが届かない。 その間に如月さんは悠々と横を通り過ぎ、遂に最後のディフェンダーである藤宮さん達へ。 「わわ、私達で止めますよ~!!」 「無駄無駄♪ これで終わりだよぉ♪」 如月さんは藤宮さん達がディフェンスする前にシュートする。しかしゴールポストに当たり上空へ高々と上がった。 「え~い!!」 藤宮さん達は一斉にボールに向かってジャンプする。よし!! 空中戦なら人数が多いこちらの方が有利だ!! そう思っていた。 「だから無駄だってぇ♪」 しかし如月さんがジャンプしたら軽々と藤宮さん達の上をいき、そのままオーバーヘッドキックをかました。 僕達はゴールキーパーなどいないから、ボールは勿論ゴールへ突き刺さる。 「やったねぇ♪」 嬉しそうに自陣へ戻る如月さんに一言いいたい。あなた人間ですか? と。
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