2章:転機

8/15
前へ
/426ページ
次へ
「まず1つ目だが……シオン、お前には魔法学園に通ってもらう」 「……は?」 思わずシオンが声をあげた。 しかしギルバスの顔は真剣そのもので、とても冗談を言っている様子ではない。 「驚くのも無理はないが、これは決定だ」 「待て、誰がそんなことを言い出したんだ?直接行って話しをつけてくる」 「その必要はないぞ?言い出しっぺは俺だ、文句があるならここで言えばいい。ま、聞かんがな~」 「テメェ……どういうつもりだ?」 「何を怒ってるんだ?学園に行くのに何か不都合でもあるのか?」 「怒って無いし不都合も無い。単純に時間の無駄だろ?俺が今更学園に行ったって学ぶことなんて1つも無いだろう?」 その通りである。 隠してはいるがシオンは『黒衣の救世主』と言う二つ名で呼ばれる世界でも3人しか居ないSSSランクの1人であり、学園に行く意味など全くと言っていいほどない。 しかしここでギルバスは思いもよらぬ事を言い出した。 「お前今幾つだ?」 「あぁ?え~っと……17?」 「シオン様……自分の歳くらい覚えておいて下さいよ……」 「う……」 「それでだ!」 ギルバスが強引に話しを戻す。 「17と言えば学園に通わなきゃいけない歳だろ?つぅ訳だ。諦めろ」 「何言ってやがる!普通通わすなら16からだろ?今、俺は17じゃねぇか!言うのが遅いだろ!?」
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5082人が本棚に入れています
本棚に追加