2章:転機

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「お前こそ何言ってやがる。ホントは12歳から通わなきゃいけねぇんだよ。でもお前、その頃はいろいろあったろ?だから今からで勘弁してやってるんだよ!」 「そうだけどよ……でもやっぱり去年からでもよかったじゃねぇのか?」 すると、突然ギルバスが目に見えて慌てだした。 「あ、その…それはだな…その…なんて言うか…つい、うっかりしてた…と言うか……」 つか、最初のシリアスな雰囲気はどこにいったのか?急ににギャグ化しているのは気のせいではないだろう。 「……要するに、忘れてたんだな?」 「まー簡単に言うとそうなるかな?」 しばしの沈黙……。 「ふざけんなー!!」 あの後暫く、シオンがギルバスに数分間にわたって文句を言って(と、言うか罵って)いたが、とても聞くに堪えないものだったので割愛させてもらう。 「……すまん」 「で、何処に何時から通うんだ?はきはき答えろ」 「あーその辺は刹那に任せてある。俺から聞くより刹那から聞いた方がいいだろ?」 「当たり前だ」 「俺からは以上だ。長期休暇だと思って学園生活を楽しめ」 「そうする……じゃぁな。刹那~行こうぜ」 「はい。ギルバス様、失礼します」 そう言ってシオンは部屋を出、続いて刹那も部屋を後にした。 「頑張れよ……シオン」 ギルバスの不可解な、しかしどこか悲しげな呟きは、誰に聞こえる事も無く消えていった。
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