2章:転機

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◆◆◆ 「あの~そろそろ説明を始めたいのですが……」 部屋で説明をしようという事になり、2人はシオンの部屋に戻ったのだが、急にシオンが後ろから抱き着いてきたので、そのままの状態でベッドに腰掛けながら刹那がそう切り出した。 当然刹那の顔は真っ赤である。 何故こんな事になっているかというと理由は単純で、部屋に着くなりシオンが刹那に抱き着いたからである。 と、いうか早くも行動がワンパターン化しているのは気のせいでは無いだろうか……。 「あぁ……そうだなー。じゃ頼む」 そう言いながらも刹那から離れる様子はない。 「あの、シオン様……恥ずかしいので……離れて下さい……」 「いいだろ?誰も見てねぇよ。それとも刹那はこうされるの嫌いか?」 「ぅ~……そんな言い方、卑怯です……。私が嫌がらないの、わかってるでしょうに……」 「ははは、悪い悪い。――でも、嫌じゃないならこのままで……。これ、落ち着くんだよ」 そうして腰に廻した手に力を篭め、少し強目に抱きしめる。 「もう……。じゃぁ、このままで、いいです……」 真っ赤な顔を更に真っ赤にして刹那はなげやりにそう言ったが、寧ろ嬉しそうな響きが含まれていた。 ……スイマセン。次のページからちゃんとします……。
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