2章:転機

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「シオン様が明日から通うのはセル――」 「ちょっと待て!」 そんなこんなで始まった説明を開始3秒でストップしたのは、勿論シオン。 「どうかされましたか?」 「……俺の聞き間違いだよな……?今明日からって言ったか?」 「はい、言いましたが?」 「何でそんな急なんだ……?」 「ギルバス様のご息女が先日、学園に入学(入園)なされた折にシオン様の事を思い出されたと伺っております」 「ほぅ……なにか……つまり、それが無ければ今も忘れていた、と?」 「でしょうね……」 シオンは無言で立ち上がり、部屋を出ようと歩きだした。 「どちらへ?」 「ちょっくら、ギルバスの野郎をシメテくる……」 「あの~時間が無いので全て終わらせてからにして頂けませんか……?」 「そ、そうだな……」 「では説明の続きを――」 「いや、今は説明より用意だ。明日なんだろ?説明なんて道すがらにでもしてくろれば十分だ」 「そうですね……。制服は明日届きますので、今日は学園に持って行く物を纏めましょう」
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