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抱唄
僕の口がつぶやいた。
その言葉は寂しく響いた。
何の言葉か忘れたけど。
なぜか悲しくて。
こんな静かな場所に
君は来てくれた。
誰にもみつからないように
隠した心の扉を叩いてくれた。
あまりにも眩しくて
眼を閉じた。
温もりが恐くて
震えていた僕を
君は優しく抱き締めてくれた。
僕の中で何かが砕けた。
君といた日々は
穏やかに流れていった。
独りで泣いている
君を探した。
とても静かな場所に
僕はきたんだ。
何にも聞こえないように
耳をふさいだ君の手をほどいた。
あまりにも苦しくて
眼を閉じた。
温もりを忘れて
震えていた君を
僕は優しく抱き締めてあげた。
君の中で何かが変わった。
こうやって支え合っていこう。
どっちかに寄り掛かりながら
まだ続く長い道を歩いていければいいな。
なんて言うと君は笑うけど
僕は笑いながら隠すけど。
本当にそうしたいんだ。
君が歩けなくなったら
僕が君の足になる。
君が笑えなくなったら
思い出すまで笑顔をあげるんだ。
だから
ずっと君と……
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