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春見(以降H)
「行くなっ!!」
目が覚めたのと、叫んだのは同時だった。
全身にびっしょりかいた汗と疲労感。
昨日から寝泊まりしている宿の雨漏りの染みがついた天井が視界に入った。
そしてまぬけな顔をした旅の連れ。
あれは夢だった?。そうだ、夢だ。
レオはやっと回り出した頭を左右に振り、身を起こした。
「だ、だ、大丈夫ですかっ!?」
ホットドックにかぶりつこうとしていた旅の連れ、フィリップはレオの叫び声に驚いて目を丸くしていた。
「あぁ。ただの夢だ」
レオは心配そうに見つめてくるフィリップにそう言うと、ギシリと鳴るベッドから立ち上がった。
「…フィリープ」
「は、はい!」
「シャワーを浴びてくる間に俺の分のホットドックを食べんじゃねーぞ」
「は、は、はいっ!」
シャワー室に入っていくレオを見つめ、フィリップは手に持っていたホットドックを紙に包み直し、テーブルに置いた。
やっぱりバレていたか。
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