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「やっとおでましってところか」
レオはニヤッと笑った。
こういう時のレオはいたずら好きの子供のように嬉しそうに見える。
「フィリップ用意しろっ」
「えっ、あ、はいっ!」
フィリップはすっかりアイスコーヒーなってしまったそれを飲み干し、ベッド脇へと向かった。
そこには二人がいつも持ち歩いているボストンバックが置いてある。
鞄を開けてふと思った。
何が必要なわけ?。
「レ、レオ、用意って何の?」
「氷なんだから、火だろうよ」
「そんなのライターぐらいしかないですよ!」
「…」
フィリップは既にパニックになりつつある。
いや、もうパニックなのか?。
レオはざらついたタオルで体を拭きながら、体にピリッとした痛みを感じた。
シャワーを浴びようとした時の水滴が凍ったのだ。
「おいおい、俺が先に凍死しちまう」
慌てて服を着て、フィリップの所へ行くと、フィリップは完全武装の真っ最中だった。
ロザリオは5個以上は持ち、使い方さえ分からない銃を右手に、左手は清水。このままでは神に祈りまで捧げそうである。
「ロザリオなんて縁起が悪すぎる、ぜ」
フィリップから銃を奪うと、部屋の扉を開けた。更に冷たい空気が流れ込む。
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