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「‥‥、」
―――――京くんが、コートへ踏み出す。
その、広い背中が。
私の思っていたのより、ずっと、大きくて。
不意打ちみたいに、気付かされてしまった。
交代して、出てきた3年にお疲れ様、と声を掛けながら視線はコートを追う。
真っ直ぐにゴールに向かい構えるその姿に、息を呑んだ。
泥が跳ねても、びくともしない。
目の前に相手選手のスパイクが迫ろうとも、躊躇せず、ボールを両手で抱え込み。
それを綺麗なフォームで、遠くに正確に蹴り上げる。
グローブを嵌めた大きな、手。
コートの上での、絶対的な存在感。
そしてその、誰も寄せ付けない、強い瞳。
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