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「ねえねえ のどかちゃーん。部活なんていいから、俺と遊ばなーい?」
まだ朝です。一時限目も始まってもいないんですよ?今から今朝提出の宿題をするところなのです。イライラは収まりません。
ゲロ以下の臭いがプンプン する、下卑たチャラ男の声が私に向けられました。
私は駆逐しました。男の顎を押し上げるようにコークスクリューをブチ込んだのです。
「私が咥えるのはバナナだけです。勘違いしても貴方のではありません」
男に空中で高橋大輔もびっくりの五回転半を決めさせると、男はそのまま掃除用具入れのロッカーに激突して、沈黙。
教室に一時の静寂に支配された後、再び活気が戻る。そして教室の反対側から、クラスの女子の話し声が聞こえてきました。
「今日の安井さん、いつになく激しいね……」
「いつもなら四回転なのに」
どうやら新記録の様です。 わざわざありがとうございます。
クラスの男子達が、黄色い 液体で汚れたチャラ男を担いで教室を出ていきます。
「俺だったら死んでたぜ、あんな鮮やかなコークスクリューなら」
「安井の奴、本当に女なのか?ぺったんこだから男に見」
「聞こえるように、もう一度、言って頂けますか?」
男子の小声でのやり取りを耳にしました。“ステータス”を愚弄した男子に、私は静かに問いました。
「大丈夫ですよ、さあ、今後は私、聞き漏らさないようによーく耳をかっぽじって準備してますから、どうぞ?」
「……すみませんでした」
私は油性ペンで男子の額に、『矮小』と書いて、矛を納めました。
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