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ぷりぷり怒るプリムラを見てクレオが思わずプリムラに抱き着いた。 「確かにプリムラの可愛さは反則よね。ジェダイの戦士がゴルフでフォースを使ってカップインさせるくらいに反則よ。タイガーもびっくりだわ」 蜜柑は呆れながら納得してしまう。女の子から見てもプリムラのころころ変わる感情は可愛い。 「離して~~!!」 涙目になるプリムラにクレオは頬を擦りつけるくらい強く抱きしめる。 「きゃわいいな、プリムラきゃわいいな!」 騒いでると空いてるドアからお腹の膨らんだ女性が教室に入ってくる。 「席つけー。SHR始めるわよ」 担任の笹原先生だ。 彼女は妊婦で、お腹の赤ちゃんもあと8ヶ月で来週から産休をとる事になっているらしい。 クレオはプリムラを離すと、また後でねとにししと笑いながら前にある自分の席に戻っていく。 プリムラは蜜柑の隣にある席に着く。クレオに抱きしめられてくしゃくしゃになった制服を整えてる。抵抗するのに疲れたのか顔は赤く、息も少し荒い。 ちょっとエロい、なんて思ったが先生がいる事だし言わないでおく。 「連絡事項は1つかな。私の代わりに錬金学を教える先生が決まった。残念でした、男子。喜べ、女子。先生は男、歳は20代半ば、しかも魔法管理局の人間だ」 男子は男かよ、とうなだれる。 女子は男!年齢は近すぎず遠すぎず!しかも魔法管理局!と色めき立っている。 魔法管理局と言えば、 男女問わずなりたい職業ランキング1位。 玉の輿、逆玉の輿に乗るならならランキング1位。 異性を落とした職業ランキング1位。 可愛い子(男女問わず)が働いているランキング1位。 カッコイイ人(男女問わず)が働いているランキング1位。 etc……と誰もが知っていて憧れる職業だ。 「静かにしろ!まぁ、来週までのお楽しみだ」 先生が注意しても女子の騒ぎは中々落ち着かない。男子はけっ魔法管理局がどうしたよ男は中身だぜい、とやさぐれてる。 「仕方ないか。それじゃあ、このまま終わるぞ」 先生は諦めて、妊婦という割にきびきびした動きで教室から出ていく。
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