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――お昼休み。
学生食堂で蜜柑はクレオと二人で昼食をとっていた。プリムラはお兄ちゃんと呼んでいる人とご飯を食べるのでこの場にはいない。
ちなみにお兄ちゃんと呼ばれる人は
【神にも悪魔にも凡人にもなれる男】
として有名であり、とある理由から毎日毎時間男子に襲われている。
「錬金学を教えにくる先生ってまさか蜜柑のお兄さん?」
こんがり焼かれた鯖がよだれを誘う鯖味噌定食をつついてるクレオに牡丹はまさかと否定する。
「だって、蓮にぃは事務職なんだから無理よ」
蜜柑は兄の蓮が作ってくれた弁当を箸でつつく。レストランでもない学食に弁当を持ち込んでも誰も文句はいわない。
ただ、昼時には、学食は自然と混むので教室で食えやという人の視線を受けるが、そこはスルー。
「事務職でも錬金術使えれば可能性あるんじゃない?それにうちは基礎教養科目を除けば錬金学より魔法学の方に重きを置いてるから錬金学って基本しか習わないじゃん。それに機動隊はあちこち飛び回る仕事らしいから、先生みたいな仕事は寧ろ事務職にまわってくるっしょ」
「確かにそうかも。今日聞いてみるかな。……何よ?」
クレオがにししと笑っている。ああ、絶対に下らない事考えてるよ。
「もしかしたら私、牡丹にクレオお姉ちゃん。いや、クレオねぇって呼ばれる事になるかも。その時はよろしくね?」
「……何でよ?」
唐突に何を言い出すかと思えば。一応、話を聞きましょう。
「だって、生徒である私と臨時教員となったお兄さん。二人の恋は許されぬ禁断の恋!しかし、二人手をとり壁を乗り越え永遠の愛を誓い合う!!」
椅子に片足を乗せて身振り手振りで何かを演じるクレオ。
「………まぁ、座りなさいよ」
片足をあげてもスカートの下が見えないのは流石だ。
「余裕な顔しちゃって。ブラコンのくせに」
「ブラコン言うな!……蓮にぃが来ると決まった訳じゃないし。それに、蓮にぃは女子高生に手を出すような人じゃないもん。……だから何よ」
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