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にやにや笑うクレオに牡丹は苛々してくる。 「馬鹿だなぁ。こういう時は女から手を出すのよ。既成事実さえ作っちゃえばこっちのもんよ。はい、お姉さんいっちょ出来上がり~」 「いやでも……」 「朝の女子の反応見たでしょ?魔法管理局ってだけでみんな目を輝かせてたじゃんよ」 「そんな不純な動機で……」 「最初はそうでも、本気になったら関係ないでしょ。あんたって昔の失敗とかいつまでも引きずるタイプ?」 クレオの言葉にふざけた話し方がなくなり、地が出て来る。 そのクレオに蜜柑も親しい人の前でしか話さない、少し子供っぽい口調になる。 「そうじゃないけど……それに蓮にぃってそんなカッコイイわけじゃないよ?」 「私もあんたの家に遊びに行った時にお兄さん見たわよ。確かにモデルみたいにカッコイイ訳じゃない。でも、目を逸らしたくなる様な不細工でもない。むしろ、カッコイイ寄りよ。容姿ならそれで十分。それに私達の年代って同年代の男子とかガキ見えるもんなのよ。全員とは言わないけど。そんな中で働く年上なんか現れたイチコロよ」 いつもはふざけてるクレオが今、蜜柑には自分よりも年上に見える。 「制服マジックなんてのもある。お兄さん今、恋人いないんだろ?」 いない。むしろいた話を聞いた事がないくらいだ。
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