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カーテンの間から日が差し込み、外ではカラスが元気よく鳴いている。
枕元の近くから携帯電話からお気に入りの着うたが目覚まし代わりに鳴り響く。
今日の曲はLINKINPARKのNUMB。
兄から薦められてから一気にハマったのはいいが、流石に寝起きに聞くと盛り上がる曲だからこそ煩い。
スヌーズ機能のせいで鳴ったり止まったりで本当に喧しい。完全に止めたいけど、手探り出来る範囲には見付からない。何で?
「蜜柑【みかん】、起きたか~」
扉の向こう側から男の人の声。私の兄の蓮にぃだ。
この家には私と私をここまで育ててくれた兄の蓮にぃの二人きり。
兄の私を呼ぶ声に答えたのは、さっきから喧しい目覚まし代わり携帯電話。
私は日差しを受けても、カラスが鳴いても、携帯電話が喧しくてもベッドから出てない。むしろ布団を手繰り寄せて包まった。二度寝万歳。
「もう少しで朝飯出来るから着替えてけよ」
兄は何時もの事に呆れて台所に向かったみたい。
だって二度寝気持ちいい~……携帯煩いけど。
「―――っ!?」
あれから何分かまた寝てたら、ドアが少し強めに叩かれて私は布団を蹴飛ばして跳び起きた。
「蜜柑!さっさと起きろ!」
一発で分かる。なかなか起きてこない私にいらいらしてきてる!
弁解しようと扉を開けようと思ったけど、セーターしか羽織ってない――その下は自分の身一つという事に気が付いてとりあえず返事だけでもしといた。だって恥ずかしいよ。
「もう、起きたー!起きたから蜜柑、紅茶が飲みたいな」
普段は自分の事を名前で呼ぶ習慣なんてないが、蜜柑と呼んでみると、
「はぁ、分かった。仕方ないな。さっさとしろよ」
兄はいっつも仕方ないと言って私を甘やかしてくれる。
私は着替えをもって洗面所に向かう。軽くシャワーを浴びて、歯を磨く。
急いで体を拭いたら、今日の下着は水色のフリル付きのブラとショーツを手早く身につける。
最後に制服を身に纏い、茶の間に向かう。
「おはよう」
茶の間にある小さなちゃぶ台に兄が窮屈そうにして座っている。
「おはよう、蓮にぃ」
私はその向かいに座る。机にはハニートーストとサラダが並んである。もちろん、紅茶だって用意されてる。
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