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私は心が暇だった。
仕事はそれなりに忙しかったけれど、それで私の心が満たされることはなかった。
興味のない男から誘いのメールが来ても、返信する気さえ起こらなかった。
・・つまらない日常。
そんな私の心を少しの間だけ埋めてくれたのはmixiだった。
その中で面白いといわれている人の日記を読んでいる時間だけは、心の隙間を埋めてくれている気がした。
それですら錯覚なんだろうけど。
推薦されている日記のほとんどは、正直いって期待外れのものばかり。
でもその中でごくたまにいる、キラリと光るものを持っている人を探すのが私の楽しみだった。
そんな作業を続けていくうちに、私にはお気に入りの作家さんができた。
素人さんなのに作家なんて呼ぶのは変な感覚だけど、私にとっては立派な作家さんでありエンターテイナーだった。
彼は何気ない日常から笑いや感動を切り取って巧みに表現し、私に毎回新鮮な驚きを与えてくれた。
ちょっと大げさかもしれないけどそんな感じ。
彼の書く文章から感じる彼の人格は完璧だった。
実生活にこんな人が存在するのかっていうくらい。
真面目な中に知性とユーモアがあってカリスマ性もあって器も大きくて、本当に何でも持っている感じだった。
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