背伸びした猫

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龍は腹減ったと焼き肉屋さんに連れて行ってくれた。 「焼き肉初めて…」 「は?お前世間知らずの箱入り娘?」 「ううん。真逆。」 「あぁ。家複雑やったんか。」 「別に普通。家に親がいないのが普通だっただけ。よくある話やで。」 「寂しかった?」 龍真っ直ぐあたしを見て聞いた。 「別に。それが普通だったもん。」 なぜか目をそらしてしまった。 「それより生きるのに必死だったよ。」
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