猫の成長

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閉店にさしかかったとき ラストまでいた香奈は酔っ払って出来上がっていた。 「ただいま香奈っ」 指名は5卓かぶり。 客同士がピリピリしてる。 「遅い!なんで香奈の席だけ少ししかいれないの?」 「しょうがないじゃん。まわりは金使う客。お前は彼女なんだから少しは我慢しろよ。」 「ふんっ」 すねてるが『彼女』という言葉が嬉しそうだ。 俺はわざと早く抜ける。 「ごめんもう抜けるわ。客がシャンパン入れるから。」 「え…?もう?」 「しゃあないやん。」 「じゃああたしもシャンパン!ううん!ドンペリ持ってきて!!」 「お前彼女やねんから我慢しろよ…でもありがとな。」 今日もラスソンは俺だった。
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