神城亮

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ああ、龍の話だっけ。 あいつはほんまに手がかかった。 野犬みたいで、全てが敵だ!て思ってて。 少なからず俺に恩を感じてるのか俺に逆らうことはないんだけど、あいつがNo.1になるまでは従業員とのトラブルメーカー。 先輩に喧嘩売るわ、後輩無視するわ、他店のホストと一触即発だわ。 あの頃俺の携帯が鳴ると、だいたい龍のトラブルだろうなってうんざりしたくらい。 でも女の子に対してはひどく丁寧にだった。 俺から見れば他人の距離感なんだけど、女の子の弱いところを見つけるのが早いのか 弱いところを上手に吐き出させて、その上で俺はそれでもそのままの君がいい、と。 それは色恋営業というよりも、一条龍という宗教の勧誘に見えたくらい。 教祖様と信者の距離感って、知らないけど他人じゃん。 だから他人行儀なの。あいつは。
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