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「しょうがねぇだろ?それに朝早いし寝て起きて学校着いたらスグ逢えるって、な?」
「……うん」
「……ったく、しょうがねぇな」
「へ…え、ひゃ…っ!?」
瞬が励ますも、しょげ返った様子のままの夏海。
そんな夏海の腕をグイッっと掴み自分の方へと引き寄せた瞬は、
ちゅっ
そんな僅かに触れるような音を立てて、夏海の頬に軽く口付けるのだった。
「ちょっ……なっ、しゅ、瞬ちゃんっ!?」
「ん、なんだ?」
「い、い、い、今……っ、ほ、ほっぺにキ、キス……っつ!?」
「ああ、キスしたな」
突然のキスに慌てる夏海とケロリと返事を返す瞬。
「夏海が安心して寝れる、おまじない!朝になったら、また逢えるって」
だから淋しくないだろ?
ニカッと笑いながら告げる瞬に苦笑しながらも、
「もぉ……瞬ちゃんには適わないなぁ」
そう言葉にして返す夏海の心は、先程とは違い穏やかなものだった。
「明日の朝……絶対、逢おうね?」
「ん……じゃ、オヤスミ」
「うん……おやすみ」
二人共通のテニス部の朝練があるのだから逢うのは当たり前だが、念の為とばかりに瞬に約束を取り付けた夏海は、寝る前の挨拶を告げ終わり玄関へと姿を消すのだった。
「また、明日」
部屋へと戻った夏海はそう呟きながら先程のキスを思い出し赤く染まる頬を手で押さえ照れ隠しでもするかのようにベッドへと顔を埋める。
「あー、早く明日にならないかなぁ……それには早く寝なきゃだよね」
瞬ちゃんの夢でも見れたらいいな、なんて考えながらも夏海は深い眠りに着いた。
どうやら今夜は
ぐっすり眠れそうだ
そう、思いながら。
暑くて眠れぬ夜に
(ふふっ、明日楽しみー♪)
(やべ、キスしちった/////)
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