マフィアからの手紙

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玄関を出て、鍵を閉める。 愛車である原付に跨り、エンジンを始動し、アクセル全開で発進。 地図に書いてある住所は自宅からは差ほど離れておらず、原付で15分程で着いた。 「ここ…、マフィアのアジト…か?」 ついた先は普通の一軒家。 木造モルタル、二階建て。 普通すぎて逆に怪しい…。 普通に設置してある普通のインターホンを押すと、普通にピーンポーンと、恐らく全国共通のありふれた音が響いた。 「はい?どなたですか?」 普通に対応する女性の声。 ここ、本当にマフィアの家か? 手紙自体がイタズラだったのか? 一抹の不安と様々な疑問が脳裏をよぎる。 「あーっと…、えっと、手紙見てここに来たんですけど…」 しばし沈黙の後、インターホンから女性の声が響いた。 「入って下さい。鍵を開けます」 ガチャッと、ありふれた開錠音がして、扉が開かれた。 中から出て来たのは、女。 恐らく、先ほど対応した女性だろう。 だが、女性は女性だが、俺の予想した女性では無かった。 なにしろ外国人。 いや、マフィアなら外国人と言うのが普通だが。 流暢な日本語と木造モルタル、瓦屋根の日本家屋から、出てくるのは日本人とばかり思っていた。 「さぁ、入って」 扉を開け、入る様促す女性。 豊かな栗色の髪に茶色の瞳、筋の通った高い鼻、長い足、引き締まった腰に、これでもかと言うくらい膨らんだ胸。 外国人の特徴満載である。 しかも美人。 凜香や爛香と違う、成熟した美しさ、と言うのか、とにかく可愛いより美しい。 生きている内に、心から美しいなんて曖昧な言葉を使うとは思わなかった。 などとドギマギしつつも、取り敢えず扉をくぐった。
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